大判例

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東京地方裁判所 昭和59年(行ク)16号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一本件申立ての趣旨は、相手方が昭和五九年三月一三日付で東京高等検察庁検事長に対してした逃亡犯罪人引渡法(以下「法」という。)一四条一項に基づく申立人をアメリカ合衆国に引き渡す旨の命令(以下「本件引渡命令」という。)の執行は、本案判決が確定するまでこれを停止する、というにある。

二よつて検討するに、一件記録によれば、申立人はアメリカ合衆国において不法領得にかかる自動車の国外運搬の罪を犯し、日本国内に逃亡した逃亡犯罪人であるとしてアメリカ合衆国から日本国に対し、日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約八条に基づいてその引渡しの請求があり、昭和五九年二月八日東京高等検察庁検察官は法八条により東京高等裁判所に対し審査請求をしたこと、同裁判所は同年三月六日「本件は、逃亡犯罪人を引き渡すことができる場合に該当する。」旨の決定をしたこと、相手方は同月一三日本件引渡命令を発したこと、申立人が引渡犯罪にかかる行為を行つたことを疑うに足りる相当な理由があることが一応認められる。

そして申立人が犯した疑いのある犯罪の性質、事案等にかんがみれば、逃亡犯罪人を引き渡すことが相当であると認めた相手方の判断に裁量権の逸脱ないし濫用の違法があるとは認められない。

三以上によれば、本件申立ては、「本案について理由がないとみえるとき」に該当するから、その余の点について判断するまでもなく失当として却下することとし、申立費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり決定する。

(時岡泰 満田明彦 菊池徹)

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